
民間学童を整理し、放課後の過ごし方を少しずつ再構築している我が家。
9月からはあーちゃんの本人の希望もあり、公文(くもん)で新たに「英語」をスタートさせた。英語も思いのほか本人の肌に合っていて、順調な滑り出しを見せていた。

くもんは年長さんのころから通っているし、何の問題もないよね~
…そう思っていたのだが、ある「台風の日」をきっかけに、家庭学習を巡る涙の大トラブルが発生することになる。
「家でそんなにやりたくない!」台風の日に起きた大号泣
その日は台風の影響で外出が危険になるため、公文の教室がお休みになってしまった。

教室に行けない分、家で宿題を進めておこうか!
教室に行けばいつも5~10枚ほどこなしていると聞いていたので、わたしは親心から「今日教室に行かなかった分」として、家でやるプリントを5~10枚用意してみたのだ。
すると、そのプリントの山を見た瞬間、あーちゃんの態度が一変。
「いやだぁぁぁ!! やりたくないよぉぉぉ!!(号泣)」
大粒の涙を流し大パニック!
最初はわたしも「今日は公文の教室に行かなかったんだから、おうちでその分やろうよ?」と優しく促していたのだが、あまりにも辛そうに泣き続ける様子を見て、はっとした。
「あ、これ、ただのワガママやめんどくさがりじゃないな…」
泣きながら教えてくれた「家と教室」の気持ちの違い
わたしは促すのを一度やめ、泣きじゃくるあーちゃんの横に座ってじっくりと理由を聞いてみた。
すると、目からポロポロ落ちる涙を拭いながら、自分の口でこう教えてくれたのだ。
「今日の家でやるプリントの数が多すぎて嫌になっちゃったの」
「教室に行ったら楽しくできるし、先生にも会いたいから何枚でもできるんだけど」
「でもね、お家はゆっくり休みたい気持ちが大きいから、たくさんあると嫌になっちゃうの…」
あーちゃんの言葉を聞いて、ようやく腑に落ちた。
学校に行って、帰ってきて、学校の宿題もやって…その上で「家」という本来リラックスできるはずの場所で大量のプリントを差し出されたら…
嫌になって当然だわ。

学校の宿題もあるのに、公文までたくさんあったら嫌だったよね。たくさんできるかなと思って、お母さんがいっぱい用意しちゃってごめんね
心から寄り添って謝ると、あーちゃんは「分かってくれた」とホッとした顔を見せ、すーっと涙を引っ込めた。
そして「家では2枚だけにしよう! 教室で楽しくやっておいで」と約束すると、あっという間に笑顔を取り戻し、楽しそうに英語のプリントを解き始めたのだった。
「家だと勉強できない」理由
子どもが「教室ならできるのに、家だと嫌がる」という現象には、脳の認知機能と環境心理学が深く関わっている。
場依存性(コンテキスト効果)
脳は「場所」と「行動」を強力にセットで記憶する。公文の教室は「勉強する場所」として脳が集中モードに切り替わるが、家は脳にとって「安全・リラックス・休息の場所」。同じ枚数でも、家でやる方が脳にかかるストレス負荷が数倍跳ね上がる。
我慢強い子ほど起きる「キャパオーバー」
あーちゃんのように「親の言うことと自分の気持ちの折り合いをつけられる真面目な子」ほど、普段は限界まで頑張ってしまう。
そのため、「家で大量の宿題」という最後の一押しで感情が決壊して泣き出してしまうのだ。(ほんとにわたしに似てる…)
よく考えてみて、大人もそうじゃない?
大人でも、自宅では集中できないから、カフェや飲食店に行って勉強や仕事をしますよね。在宅勤務なのにわざわざワーキングスペースを借りている人も。
「家は休息の場所」とインプットしていると、理性が強く働く大人でも脳にかかる負荷が高いものなんだね。
大人は、自分でストレスを取り除くすべを知っていたり自由に選べたりするけれど、子どもには心理的にも物理的にも大人のケアが必要。
気を付けて観察してあげて、必要なケアをしてあげられるといいね。
習い事の家庭学習で「親が無理強いをやめる」コツ
「家でのハードル」は地面まで下げる
教室での枚数と家庭での枚数を同じにしようとしない。「家では1~2枚できたら100点!」と割り切ることで、子どもも「これならできる」と心理的ハードルが下がる。
「嫌だ」と言えたことを肯定する
子どもが「嫌だ」と泣いたのは、キャパシティを超えたSOSサイン。
「ワガママ言わないの」と潰さず、「教えてくれてありがとう」と受け止めることが信頼関係につながる。
「学校の宿題」を一番のプライオリティにする
小1にとって最優先なのは学校の宿題と体力の温存。習い事の課題はあくまで「プラスα」と捉え、本人が笑顔で取り組める範囲に調整してあげるのが親のサポートだ。
子どもの「折り合いをつける力」を信じて寄り添う
泣き止んだあと、英語の音声を嬉しそうに聴きながら楽しそうにプリントをめくるあーちゃんの背中を見つめながら、わたしは強く反省した。
あーちゃんは、嫌なことでもちゃんと自分の気持ちと親の言っていることの折り合いをつけられる、すごく賢くて健気な子。(親バカさーせん)
だからこそ、親が「これくらいできるでしょ」と無理に押し付けるやり方は絶対にやめようと思う。
良かれと思ってレールを引くのではなく、彼女の「ゆっくりしたい」「がんばりたい」という気持ちの波に、ちゃんと寄り添って歩幅を合わせていきたいな。



